背景
税制上のメリットを活用するために、アメリカ不動産に投資する日本人や日本法人が増加しています。しかし、正しい税務処理を行うためには、日米双方の会計基準や税務規定に従うことが重要であり、英語の資料を読み解く力も求められます。以下に、減価償却費計算におけるポイントと注意点を解説します。
1.建物の構造の把握
アメリカの不動産購入の際、売買契約書に建物の構造(RC造、レンガ造り、木造など)の記載がないケースもあります。建物の構造は減価償却費の計算や耐用年数の決定に影響を与えるため、購入前に鑑定評価や物件調査を行い、構造を把握しておくことが重要です。
2.土地建物比率とコストセグリゲーション
①土地建物比率の把握
土地と建物の比率をどのように按分するかについては、「鑑定評価書」または「固定資産税の評価」に基づく場合があります。ただし、「固定資産税の評価」に基づく場合、州によっては固定資産税評価額が市場価値を正確に反映していないこともあり、特にカリフォルニア州などでは注意が必要です。
②コストセグリゲーション
コストセグリゲーション(費用区分)は、建物の各部分を異なる減価償却期間で処理し、節税効果を高める手法です。ただし、コストセグリゲーションのレポートは英語で作成されるため、英文を正しく読み取り、日本の規定に合った方法で計上する必要があります。
3. 耐用年数 日米で適用する耐用年数が異なるため、両国の基準に基づき正しく計算を行うことが必要です。
- 日本
日本では建物の構造と用途によって法定耐用年数が異なり、居住用のものは以下のように設定されています。- RC造(鉄筋コンクリート造): 47年
- レンガ造・ブロック造: 38年
- 木造・木骨モルタル造: 22年
- アメリカ
アメリカでは、物件の用途に応じて耐用年数が異なります。- 居住用物件: 27.5年
- 商業用物件: 39年
まとめ
アメリカ不動産投資による税務メリットは適法な権利として認められていますが、誤った処理は税務リスクを引き起こす可能性があります。税務調査などでトラブルを避けるためにも、日米の税法に精通した専門家に相談し、正確な会計・税務処理を行うことが大切です。
合同会社Japan America Tax Solutions (JATAS)のサポート
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作成者
合同会社Japan America Tax Solutions (JATAS)
代表 田中大輝 日本税理士、米国税理士